東員町のひと

町民の皆さんが活躍できる取り組みやメニューを紹介します。

おみごと!かつやくセミナー  第1回「みんなが元気で活躍するまち ~縮小ではなく縮充 みんなで楽しく創るまち~」 レポート

■講 師  山崎 亮 氏
■日 時  平成29年12月9日(土)14:00~
■場 所  東員町総合文化センター2階 展示室



◎コミュニティデザインの仕事

 まず山崎さんについて紹介があり、コミュニティデザインの仕事について簡単に紹介がありました。
 日本はワークショップアレルギーみたいなものがあって、山崎さんたちの仕事は嫌われることが多いのですが、それをいかにして楽しいものにしようかと日々頑張ってきたそうです。
その中で山崎さんは「話し合いというと、昔から男たちが1人1票制で話し合うことが多い。形式が昔のままだと新しいアイデアも出にくい。
 これからは、若者、女性を取り入れ、手法を変えるなど、話し合いの方法自体を変えてく必要がある。そうすれば新しいアイデアも生まれる。」と話していました。

◎縮充

 今回の講演のタイトルでもある「縮充」という言葉は、山崎さんの著書から引用させていただいきましたが、造語ではなく元々あった言葉だそうです。ウール素材の服などを作る時に、わざと縮ませ、縮小、充実させて温かい良い素材を作る。これを「縮充ウール」と呼び、「これはいい言葉」と思ったそうです。
 山崎さんは「人口減少時代は、縮小や縮退などさみしい言葉が多い。しかし拡充の時代ではないのも確か。縮みながらも充実していく姿がまちにも大切ではないか。町民一人ひとりの意識が変わっていくことが本当の意味の縮充。人口は減っていくけれども、まちづくりに参加している意欲を持った人の割合は増えている状態。これは縮充です。」と話していました。

 また、「人口が減ってもまちづくりの活動をする人が増えれば魅力ある町。人口増加策ばかりやっても、10万人中100人くらいしかまちづくりの活動をしないかもしれない。それよりも2万人で1万人まちづくり活動をする町に僕は引っ越したいと思う。」とも話していました。
 町の産業の話では「我々が食べていくこと、飲んでいくこと、生きていくことという軸があって、その上に豊かな生活をつくっていこうと思うとき、我々のまちで、どんな仕事があるべきかを考えることが大切」と述べ、便利さだけを求めることは本当の豊かさには繋がらないと話していました。

◎大阪府営 泉佐野の公園の取り組み

 テクノポリスの中止で公園を作ることになったが、すべて税金を使って公園を作るのはもったいない。2割は業者がつくり、残りの8割は市民の手で10年かけてつくるという取り組みの紹介でした。 年間30人を募集して、11回の養成講座を実施、その後はチェーンソー、デッキづくり、コンクリート施工など実際に公園をつくります。みなさんをパークレンジャーと呼び、10年続けて300人のパークレンジャーを育てていこうというものです。集まったのは65~75歳くらいまでの力も時間もあるみなさん。この取り組みの考え方について山崎さんはこう話します。
  「そもそも、なぜ税金を集めるようになったのか。道普請(みちぶしん)という言葉にあるように、昔は基本的に自分たちのまちのことは自分たちでやる。道路はみんなでつくるのが当たり前だった。そして夜は直会(なおらい)。ここで人と人の交流があった。これが集落の運営だった。しかし自分たちがやっていたことをみんなでお金を出し合って誰かにやってもらおうということをはじめた。当時、道にアスファルトを敷くようになった時、先代の人々はそれはありがたいと思ったでしょう。でも孫の孫の世代になるとアスファルトを敷くのは当たり前。うちの前に落ち葉が落ちていても役所に言ってくる時代になった。 人口減少時代はもう一度自分のまちくらいは自分でやろうという発想に戻らなければならない時代。しかし、大事なのはこれを楽しくやること。だからアイデアが大切。」パークレンジャーのみなさんは、共同作業の中で、つながりが生まれ、飲みに行ったり、旅行に行ったりしているそうです。



◎豊かな人生

 泉佐野の公園の取り組みから今回のテーマでもある「健康」について山崎さんは次のように話していました。
  「健康」という言葉の中には「しあわせ」が含まれていて、これを町にどうやって創り出していくか。それに不可欠なのが「主体的に生きる」こと。 自分たちの地域くらいは自分たちで良くしていこう。これが巡り巡って自分の人生を豊かなものにする。そして副産物として行政が使うお金が少し減るかもということ。行政コストを下げるためにみんなが地域の仕事をやるとなると嬉しくない。身の回りに人生を豊かにするきっかけがいっぱいあったのに、全部外注して、自分は楽しいことだけやってきたつもりなのに、人生自体は楽しくなっていなかったということもありえる。 「楽な人生だった」より「充実して楽しい人生だった」にしたい。そのために身の回りの面白そうなことを排除しないようにしたい。寄って集まって楽しいことをしたい。そういう生き方に賛同してくれる人のコミュニティをつくっていくべき。


◎この他の取り組み事例紹介

ほかにも、シャッター街となった香川県観音寺商店街の取り組みが紹介されました。ひとつの店の中に店がある「ショップinショップ」を有効に活用し、若い世代などのちょっとした出店など楽しみながら行っている取り組み。 また、北海道根室別院のお寺を活用して地域のつながりの場を創出する取り組みも紹介されました。全国に寺は8万箇所あり、5万箇所あるコンビ二よりも多い。これだけある地域の寺を活用しようと地域の人たちで集まり考えて、使用していない時間にカフェや映画鑑賞などを行っているというもの。


◎地域づくりとは

 今回の講演では3つの取り組み紹介していただき、山崎さんは「地域づくり」について次のように説明していました。
  まず「地域」は、そこに生きた人達の「人生」が積み重なってできている。「人生」は「日々の生活」でできている。「日々の生活」は、その人の「行動」でできている。「行動」は「意識」でできている。 「意識」→「行動」→「日々の生活」→「人生」→「地域」。
  「地域」を変えるということは、一人ひとりの「意識」を変えるということ。 例えば意識が変わって「友達と公園づくりをしました」「カフェをしてみました」「落ち葉でアートしてみました」こういったことが積み重なり、ライフスタイルが変わり、人生が変わり、地域が変わる。そして一番意識が変わるのは参加している人同士が語り合うこと。


◎みんなで楽しく創るまち

 最後に、歴史的な背景を踏まえ、これからのまちづくりについて次のようにまとめていました。
 日本は江戸時代まで1000年住民参加で運営されてきた。共同責任であった年貢が明治の時代に税金に変わり、従来地域の中にあった社会福祉法人やPTAやJAなどのアソシエーションがひとつずつ引っこ抜かれた。こうして町内会の絶対的な権力は骨抜きにされ、町内会で集まる必要がなくなり、加入率が下がるのは当然。そのあとさらに「通勤」ができて、住んでいるところと働いているところがバラバラになり、ますます町内会は機能しない。  

 しかし歴史的な経緯を考えると昔に戻るのはありえない。 自分たちの人生のために、良い地域をつくっていくためには、歴史的なことも踏まえて色々なアソシエーションと繋がり、新しいテクノロジー(例えばフェイスブックなど)も含めて、地域をつくっていく必要があります。
 時代は参加型。アート、福祉、医療、教育、スマホ、ウィキペディア、AKB48などすべて参加型。これは新しいことではない。懐かしい未来で、かつてはほとんどの事業が参加型。昔の寺子屋もそう。 少し変わったことをやってきた近代はわずか100年。残り2000年ほどの歴史は参加型でやってきた。高度経済成長でプラスになったこともあったが、マイナス面もあった。人口減少時代に入って、これからはマイナスをプラスに変える知恵が必要。
 自分たちのまち東員を自分たちで変えていく。提案実行型で行動をおこすことだと思います。なぜならその方が皆さんの人生が豊かなものに、そして楽しいものになるからだと思います。